Overleaf 上で cross reference

やりたいこと、直面した問題

投稿先の雑誌の要請に応じて、論文の本文と補遺（いわゆる Supplemental Material）とを分ける必要があったりする。 こんなとき、本文中の数式や図を補遺中で引用したり、その逆をやったりするやり方がわからなくて調べた。 基本的には

\usepackage{xr}
\externaldocument{<filename>}

で <filename>.aux 内に定義されたラベルにアクセスできるようになるのだが、Overleaf 上で作業していると .aux ファイルが生成されない（少なくともそんな風に見える）ので困った。

解決策

Overleaf 上でのコンパイル作業をハックするために、プロジェクトのヘッダーに latexmkrc を置く方法があるらしい。 xr パッケージを使用するための使い方は公式サイトにも記述がある。 今回は以下のような latexmkrc で作業を進めた。

# latexmkrc -- make xr work on Overleaf

# 外部ドキュメントのコンパイル成果物を入れるサブディレクトリ
$sub_doc_output = 'output-subdoc';

# 外部ドキュメント用の latexmk オプション
@sub_doc_options = ();
push @sub_doc_options, '-pdf';  # 必要なら -pdfdvi や -pdflatex に変更

# xr の「No file XXX.aux」メッセージを拾って、XXX.tex → XXX.aux を作るカスタム依存関係
push @file_not_found, '^No file\\s*(.+)\s*$';
add_cus_dep('tex', 'aux', 0, 'makeexternaldocument');

sub makeexternaldocument {
    if ( $root_filename ne $_[0] ) {
        my ($base_name, $path) = fileparse( $_[0] );
        pushd $path;
        my $return = system "latexmk",
                            @sub_doc_options,
                            "-aux-directory=$sub_doc_output",
                            "-output-directory=$sub_doc_output",
                            $base_name;
        # 生成された .aux を元のディレクトリにコピー
        if ( ($sub_doc_output ne '') && ($sub_doc_output ne '.') ) {
            rdb_add_generated("$sub_doc_output/$base_name.aux");
            copy("$sub_doc_output/$base_name.aux", ".");
        }
        popd;
        return $return;
    }
}

ちなみに、これら一連の解決方法はいつも通り ChatGPT とケンカしながら導いた。 ケンカの記録はこちら